13:00-14:30 跳躍の歴史へ向けて ~悲惨のなかの希望~
防衛大学校長/神戸大学 名誉教授/東日本大震災復興構想会議 議長 五百旗頭 真 氏
 東日本大震災は、災害の多い日本史にあっても超弩級の複合災害です。このような国難に直面したとき、日本の歴史を顧みると、日本人はどん底にあって、大いなる結束をもって苦難に立ち向かい、バネを利かせて跳躍することを得意としてきたことがわかります。東日本大震災復興構想会議の議長にと最初に内閣から諮問された際は、この日本の良き伝統に鑑み、当該会議は一内閣に留まらず野党にも大いに参加してもらい、全国民的な観点に立って進めていくことを決意しました。
 そして2011 年6 月25 日、東日本大震災復興構想会議として、第一次提言「復興への提言~悲惨のなかの希望~」を答申しました。提言をまとめる際に重視したのは、「国民的な理念、志とともに、開かれた合理性をもつ政策をつくる」ということです。議長としては、非常に個性的な16 名の委員をはじめ総勢35 名で構成される大部隊の知恵を漏れ落ちなく最終提言へとたどり着かせることも強く意識しつつ推し進めた次第ですが、本講演では、その経緯、背景等についてお話します。