10:00-12:00 東日本大震災の被災経験および今後の研究と展望
東北大学大学院工学研究科 教授 井上 範夫 氏
東北大学に勤務し仙台に在住しているため、東日本大震災により個人生活および職場において多大な被害をこうむった経験を踏まえて、今回の地震災害の中で特筆すべき特徴と今後検討が必要な課題について述べます。続いて、近い将来、東京・名古屋・大阪などの大都市で懸念されている問題として、巨大地震による長周期地震動で、超高層建物や免震建物において大きな揺れが懸念されていることに着目し、この過大な揺れを効果的に制御する考え方をご紹介します。地震時に生じる建物の応答変位を直接反映して制御を行う、変位制御設計と名づけた新たな提唱です。最後に、今後進めてゆくべき研究と展望についての全般的な考えを述べます。